偽・白雪姫⑧
一方石の礫をあびて、昏倒してしまった白雪姫。庭に寝かされた姿は、まるでただ眠っているかのように美しく、周囲に散りばめられた花々がよりその美しさを引き立てています。
「と、いうより倒れた場所から動かしてないだけなんだけどね。」
何ですと?!
「こんな非力な子供が別の場所に運べるわけないじゃん。」
確かに・・・。
「どうしたのですか?」
ナレーターが納得したところに、登場したのは一人の青年です。キリリと引き締まった口元に端正な顔立ち。派手すぎず、上品な服と相まって馬を引いて歩いてくる姿はまるで、絵本の中の王子様のようです。
青年は、ぎりぎり子供たちの大人への攻撃対象年齢から外れていたようです。突然の助けに藁をつかむ気持ちで少年が青年へ説明します。
「別にこの人が死んでいるだけです。」
勝手に殺さないで?!ちゃんと確認して?!
「ちっ。」
舌打ちされた?!
渋々少年は白雪姫に石が偶然にもぶつかってしまったこと、けれども自分たちの力では動かすこともできず困っていたことを話します。それを聞いた青年は慌てて白雪姫へを駆け寄ります。
「それは大変です。もしかしたら、手当すれば助かるかもしれません。」
青年は手早く白雪姫の傷の様子を調べます。手慣れてますね。
「緊急時の応急処置は、お城で習いました。いざというときに使えるようにと。」
頭を動かさないように傷の状態を調べ、口元に顔を近づけて呼吸を確認します。そして、胸に耳を当てた後にほぅと息をつかれます。
「どうです?死んでますか?」
こらこら、少年。
「大丈夫そうです。息もしてますし、心臓も動いています。きっと気を失っただけなのだと思いますよ。」
「ちっ。」
こらこらこら。
青年はにっこりと、邪気のない笑顔で少年に告げると、頭の傷に障らないように白雪姫の頬を軽く叩き呼びかけます。
「もし、もし。」
すると、青年の言ったように白雪姫がゆっくりと瞼を上げていきました。
「大丈夫ですか?」
にっこりと微笑む青年に白雪姫は、ぼぅとしながらも頷こうとして頭の痛みに顔をしかめます。
「痛い。」
「無理をしてはいけません。頭に傷があるのですから。」
白雪姫が頭に手をやられると血がべっとりとその白い手を汚します。それを見た青年が、こちらをどうぞ、と真っ白なハンカチを傷口に当ててくださいます。
「こちらを当てておいた方が良いでしょう。ゆっくり起き上がれますか?吐き気とかありませんか?ああ、少年。何か清潔な布と水はありませんか?」
青年の手を借りつつも白雪姫は起き上がり、青年の指示のもと傷の手当てがあっという間に終わりました。
「もう大丈夫でしょう。念のため私の国で医師に診せた方がよいかもしれません。よろしければ、私の国までいらっしゃいませんか?」
「はい、ありがとうございます。あの、お名前は?」
ここでようやく、お互いに名乗っていないことに気がつかれました。
「これは失礼しました。隣の国の『王子』という者です。あなたは?」
「まぁ。あなたが隣国の第一王女『王子』様でしたか。私は白雪姫と申します。」
「あぁ。あの第一王子『白雪姫』様ですか。それはなおさらに体を大事にしなくてはいけません。どうか私とともに私の国に来ていただけますか?」
「はい、喜んで。」
白雪姫は、ほんのりと頬を赤らめて差し出された王子の手を取ったのでした。
その後王子の国に行かれた白雪姫は王子の聡明さ、勇敢さ、優雅な立ち振る舞い、他人への優しさに触れ、徐々に惹かれていき、一方王子も白雪姫の上品な所作、頭の回転の早さ、武芸に秀でたところなどに惚れていきました。そして二人は結婚し、末永く幸せに暮らしました。
めでたし、めでたし。
「と、いうより倒れた場所から動かしてないだけなんだけどね。」
何ですと?!
「こんな非力な子供が別の場所に運べるわけないじゃん。」
確かに・・・。
「どうしたのですか?」
ナレーターが納得したところに、登場したのは一人の青年です。キリリと引き締まった口元に端正な顔立ち。派手すぎず、上品な服と相まって馬を引いて歩いてくる姿はまるで、絵本の中の王子様のようです。
青年は、ぎりぎり子供たちの大人への攻撃対象年齢から外れていたようです。突然の助けに藁をつかむ気持ちで少年が青年へ説明します。
「別にこの人が死んでいるだけです。」
勝手に殺さないで?!ちゃんと確認して?!
「ちっ。」
舌打ちされた?!
渋々少年は白雪姫に石が偶然にもぶつかってしまったこと、けれども自分たちの力では動かすこともできず困っていたことを話します。それを聞いた青年は慌てて白雪姫へを駆け寄ります。
「それは大変です。もしかしたら、手当すれば助かるかもしれません。」
青年は手早く白雪姫の傷の様子を調べます。手慣れてますね。
「緊急時の応急処置は、お城で習いました。いざというときに使えるようにと。」
頭を動かさないように傷の状態を調べ、口元に顔を近づけて呼吸を確認します。そして、胸に耳を当てた後にほぅと息をつかれます。
「どうです?死んでますか?」
こらこら、少年。
「大丈夫そうです。息もしてますし、心臓も動いています。きっと気を失っただけなのだと思いますよ。」
「ちっ。」
こらこらこら。
青年はにっこりと、邪気のない笑顔で少年に告げると、頭の傷に障らないように白雪姫の頬を軽く叩き呼びかけます。
「もし、もし。」
すると、青年の言ったように白雪姫がゆっくりと瞼を上げていきました。
「大丈夫ですか?」
にっこりと微笑む青年に白雪姫は、ぼぅとしながらも頷こうとして頭の痛みに顔をしかめます。
「痛い。」
「無理をしてはいけません。頭に傷があるのですから。」
白雪姫が頭に手をやられると血がべっとりとその白い手を汚します。それを見た青年が、こちらをどうぞ、と真っ白なハンカチを傷口に当ててくださいます。
「こちらを当てておいた方が良いでしょう。ゆっくり起き上がれますか?吐き気とかありませんか?ああ、少年。何か清潔な布と水はありませんか?」
青年の手を借りつつも白雪姫は起き上がり、青年の指示のもと傷の手当てがあっという間に終わりました。
「もう大丈夫でしょう。念のため私の国で医師に診せた方がよいかもしれません。よろしければ、私の国までいらっしゃいませんか?」
「はい、ありがとうございます。あの、お名前は?」
ここでようやく、お互いに名乗っていないことに気がつかれました。
「これは失礼しました。隣の国の『王子』という者です。あなたは?」
「まぁ。あなたが隣国の第一王女『王子』様でしたか。私は白雪姫と申します。」
「あぁ。あの第一王子『白雪姫』様ですか。それはなおさらに体を大事にしなくてはいけません。どうか私とともに私の国に来ていただけますか?」
「はい、喜んで。」
白雪姫は、ほんのりと頬を赤らめて差し出された王子の手を取ったのでした。
その後王子の国に行かれた白雪姫は王子の聡明さ、勇敢さ、優雅な立ち振る舞い、他人への優しさに触れ、徐々に惹かれていき、一方王子も白雪姫の上品な所作、頭の回転の早さ、武芸に秀でたところなどに惚れていきました。そして二人は結婚し、末永く幸せに暮らしました。
めでたし、めでたし。
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